にわかログ

STARTO ENTERTAINMENTのアイドルを愛好するオタクが、ある日突然Snow Manに転がり落ちてからの日々を綴るTwitter改めXにて呟いた長文アーカイブ用のブログ

『Johnny's Festival ~Thank you 2021 Hello 2022~』主に演出面の感想

2022年1月16日のプライベッターより

最初の5段落はただの余談なので読み飛ばしていただいて結構です。


多分10年くらい前の嵐のコンサートのMCだったと思うんだけど、「松潤は嵐以外のコンサートの演出はやらないの?」という話題が出たことがありました。その時に松本さんは「やってみたいけどね、Hey! Say! JUMPとか」「ご依頼があればやりたいです」と発言されていたように記憶しています。

この発言に対して当時の嵐のファンの方(一部)が「他のグループのコンサートの演出して欲しい」「Hey! Say! JUMPの演出本当にやればいいのに」とネット上で盛り上がっているのを目にして、嵐ファンであると同時にJUMPファンでもある私は「絶対に何が何でも関わって欲しくない! 彼らは彼らで考えて自分たちのコンサートを作っていて、それはまだ拙いのかもしれないけど、ファンは彼らが作る世界を観たいし、経験を積んで成長していく姿を観たい」と強く思いました。
嵐のファンとして松本さんが嵐以外のコンサートの演出をしてその世界観を広げて行くことに興味はあったけど、若手デビュー組はもちろんのこと、ジュニアでも単独コンサートをするようなグループはセットリストや衣装くらいは自分たちで考えていると思ったので、そういう若いグループの成長を妨げるようなことはして欲しく無かったのです。

だからその時には、「オールジャニーズJr.が集合するお祭り感のあるジュニアコンくらいしか松本さんが嵐以外のグループのコンサートの演出をできる場は無いのではないかな」と思いました。それも松本さんの細か過ぎる要求にジュニアくんたちが委縮してしまう光景が浮かんで、現実的ではないなと感じました。


そんなことを思ってから約10年、まさか本当に松本さんがジャニーズが大集合するお祭りのようなコンサートで総合演出を務める日が来るとは思ってもみませんでした。しかもジュニア大集合ではなく、デビュー組大集合という規模で。

嵐のコンサートでは松本さんは演者兼演出家だから、自分が演出したコンサートの完成形を客観的に観たことは一度も無く、よく「嵐のコンサートを客席から観てみたい」と言っていました。
今回、演出という立場に専念して初めてコンサートを作り上げた訳だけど、自分の作った世界を会場のどこかから観ることはできたのかなぁということが気になります。自分が関係者席に姿を現すことで、周囲の客席のファンをステージ以外のことに注目させてしまうことは本意では無いだろうから、ずっとバックヤードからモニターをチェックしていたのかもしれないなぁとは思いますが。

 

--------------------

 

オープニング映像からコンサートが始まったことについて、「映像から始まると思わなかった!」と驚かれている方をTwitterでそこそこ見掛けました。私はライブのオープニングにそのコンサートの世界観を示すムービーが流れることを当然のように思っていたけど、そう言えばグループによってはオープニングムービーという文化の無いところもあるんだよなぁと、新鮮な気持ちになりました。
ちなみに、私がコンサートを観てきたグループの中では、嵐とHey! Say! JUMPはオープニングムービーがあり、V6はありませんでしたね。(近年に関しては) 年末に初めて現場に行ったSnow Manもオープニングムービーはありませんでした。

オープニングムービーはこれから始まるステージの世界観へ観客を引き込むためのものなので、この映像の最後でSnow Manがライブロゴが映ったテレビ画面を全員で覗き込み、そのライブロゴが映ったメインステージのスクリーンが左右に割れて中央からSnow Manが登場するという演出は、『ど真ん中』の演出なんだけどそのストレートさが凄く良かったです。


私はジャニーズのコンサートで一番楽しみにしているのがオープニングの1曲目の演出なのですが、今回のジャニフェスの1曲目『D.D.』はファンの贔屓目抜きにめちゃくちゃ好きでした。
巨大スクリーンが左右に割れて中央に演者が立っていて、その後ろから強い照明を当てることでシルエットだけで見せているのがシンプルにかっこ良かった。
そして白いライトを当てているところに、『D.D.』のイントロの警告音のような音に合わせて警告灯のような赤いライトを入れてくるところが、細かいところなんだけど曲の世界観を引き立てていたように思います。

後光を背負って静止していたSnow Manが動き出した瞬間に観客は「わぁ!」って盛り上がり、ステージ上段で踊っていたのがAメロが始まるとともに9人横並びで巨大階段を下りてくるところでもう一段階「こっちに近付いてくる!」という高揚感を味わい、そしてサビのダンスで盛り上がりが最高潮になるという構成も、きっと会場で観ていたファンはより強くワクワク感を味わえたんじゃないかなと思いました。


通常のドームクラスのコンサートだと、『メインステージ』『バックステージ』『花道』で構成されていて、場合によっては『センターステージ』も配置されるというイメージなんですが、今回は『花道』も『センターステージ』も無く、代わりに『メインステージ』の両サイドに『DANCEステージ』と『BANDステージ』というサブステージが連なっていたのが特徴的で面白かったです。
複数のステージを用意することでグループごとの入れ替わりが一瞬でできるし、グループごとに曲のイメージにあったステージで持ち歌を披露できることでより世界観が伝わりやすかったなと。
個人的には『DANCEステージ』の壁面が全てLEDになっているところがとても好きでした。


『D.D.』以降は、デビューが若いグループから順番に1曲ずつ『そのグループのパブリックイメージ』に近い曲が披露されていって、自分の推しグループ以外のことはあまり知らないであろう客席がジャニフェスの世界観を楽しめるような構成になっていた印象です。
事前アンケートは各FCごとに回答できるようになっていたから、『他グループのファンからの得票の多い曲』というデータ分析もできると思うので、そういうのも選曲の参考にしたのかもしれないなと感じました。
でもどう考えてもJUMPの『ファンファーレ!』だけは「他担はほぼ知らないのでは?!」感が強くて、不思議な選曲だなぁとは思いましたが。

そう言えばこのオープニングからの流れでJUMPが登場した際に乗っていたDANCEステージ天井から吊り下げられた装置ですが、この時点では「何でこんなに広いんだろう?」と謎でした。まさか吊り下げられた装置の上で踊る訳でも無いし、「その奥行きは必要なの?」と。
でもこれがちゃんと後の演出で生きてくるんだから、ジャニーズのライブ機構は本当に凄いなぁと思いました。


各グループの顔見せとして1曲ずつ歌ったところで、次は『各グループのメンバーおよびファンが他グループのファンに見せつけたい曲』という流れなのが、該当グループのファンは嬉しいし他グループのファンは意外な魅力に驚くし、『フェス』という色んなグループのファンが集まる場にぴったりの選曲ばかりだったなぁと思います。

それと同時進行で2~3グループでのコラボ曲も披露していくのだけど、カウコンや大型音楽番組のグループコラボよりも一段階上の、しっかり作り込まれたコラボレーションに感嘆しきりでした。
どのコラボは凄く良かったんだけど、コラボトップバッターのKis-My-Ft2A.B.C-Zがお互いの曲の世界観をバチバチにかっこ良く表現してくれたから、観ている側は「凄くレベルの高いコラボ! この先に出てくるグループがどんなコラボを見せてくれるのかも楽しみ!」という気持ちにさせられたので、このセットリストを組んだ松本さんも凄いし、それにしっかり応えた両グループも凄い。


それぞれの曲の感想は配信期間中に書いたので割愛するんですが、推しグループに関してはもうちょっと書いておきます。

Hey! Say! JUMPの『狼青年』は、この1年の転機となった彼らの勝負曲なので納得の選曲だったのですが、セットリストのど真ん中に位置するこのタイミングおよび『バックステージでダンス&照明だけで魅せる』という演出から松本さんにとっての勝負曲でもあることが窺えたのが本当に感無量でした。
このバックステージは床面が全てLEDパネルになっていて、スタンド席から観るとステージが光っているのってめちゃくちゃ特別感があってカッコイイんですよね~。

この後のコラボパートでの『White Love』もとても良かったです。
私はサイズ違いのムービングステージ2台が交差する演出がとても好きなんですが、ムービングステージの上にアイドルたちが立って手を振っている状態ですれ違ってもあんなに興奮しないのです。各ムービングステージ上でダンスをしているのを目で追っていたら「え? まさかこのまま交差するの?!」となる展開に大興奮するので、ここでしっかり踊る曲を持ってきてくれたことが嬉しかったです。
また、ムービングステージが交差して更に2台連結して大ステージができることの凄さを伝えるにはフォーメーションチェンジで魅せる曲が最適なので、その点でも『White Love』は大正解の選曲でした。
松本さんはジャニフェスのために各グループの曲を相当聴いていたようだけど、曲を聴いただけでここにこの曲を持ってくる采配はできないと思うので、各グループの過去のコンサート映像もいくつか観たのでしょうね。

この後に続くのが『シンデレラガール』なんですが、『シンデレラガール』への流れとしても直前の『White Love』が大正解なんですよね。ジャニーズ王道アイドル感のあるキラキラしたダンス曲繋がり。
White Love』の余韻を損なわない荘厳な鐘の音から始まる『シンデレラガール』、とても良かったです。


ということで『狼青年』と『White Love』が松本さんにとっての勝負曲であったことは自明なのですが、一方で『シンデレラガール』は松本さんにとってシンプルに推し曲です。発売当時に自宅でも聴きまくって人にも勧めまくっていたというエピソードを持つ、松本さんの大好きな1曲です。
その曲をどういう演出で持ってくるかと思ったのだけど、まさかSnow Manとのコラボという選択をするとは思わず意表を突かれました。

King & PrinceとSnow Manのコラボは、単にお互いの曲を一緒に歌うだけじゃなくて『午前0時』というキーワードは共通しながらも真逆の世界観を歌った『シンデレラガール』と『君の彼氏になりたい。』という選曲が秀逸で、果たしてこれはこの曲をお互いに歌わせたくてこの2組のコラボに決まったのか、それとも先にコラボするグループを決めた中で曲を選んだのか、非常に興味深いです。


そして配信期間中に私が最もリピート再生した『Grandeur』です。
先述の通り、このパートは『各グループのメンバーおよびファンが他グループのファンに見せつけたい曲』という選曲だという認識だったのですが、『Grandeur』はむしろ『グループのパブリックイメージ』に近い選曲に思えました。そこで初めて「そうか、『Snow Manってメンバーが見せたいこと』『ファンが観たいこと』『パブリックイメージ』の3者がとても近いグループなんだ」ってことに気付きました。これって実は凄く強いことだと思います。

ジャニーズの各グループにはコンサートにおいて『強み』にしていることがそれぞれあって、『歌・演奏』『ダンス』『ライブ感・お祭り感』『ショー的要素』をどういう配分で見せるかというところにグループの色が出ると思います。私は『ダンス』のウエイトが大きいグループのコンサートが好きなのですが、私が今まで観てきた限りでは恐らく松本さんは『ダンスで魅せること』に強いこだわりを持っているし『ダンスで魅せることのできるグループ』に対して敬意を抱いていることが感じられます。(『ダンス』意外の要素に重きを置いているグループにもそれぞれの良さがあり、全てのグループが同じではジャニーズの多様性は表現されないので、そういうグループの良さも勿論感じていることが大前提です)

ということで『Grandeur』には松本さんの並々ならないこだわりを感じました。
今回の『Grandeur』について、後半のラップパートがオリジナルアレンジになっていることを絶賛している方をたくさん見掛けて、私もあのダンスアレンジは大好きなのですが、私がこの曲で最も注目したのは照明演出でした。
序盤のHey! Say! JUMPが登場した時に「何でこんなに広いの?」と思った吊り下げ機構が、ここに来て巨大照明として登場するのが実に見事。(機構の底面にびっしりと角度が自在に変わる照明が取り付けられていた) 照明機構がステージ近くまで下りてくることで、より強い光が複雑な角度から降り下ろしてくるのが曲の世界観にしっかりハマっていました。
シンプルにダンスで魅せる演出においての照明の力はかなり大きいので、この『照明』へのこだわりこそが、ひいてはダンス演出へのこだわりなんですよね、多分。


KinKi Kidsが登場したタイミングで、DANCEステージにストリングス、BANDステージにバンドが出て来たことについても驚いている方を結構見掛けました。
私は自分がFCに入っているグループ以外のコンサート事情はほぼ知らないのだけど、KinKi Kidsのコンサートには昔からオーケストラや生バンドが付いているイメージがあります。生バンドを付けるグループは多いけど、オーケストラは珍しくて、嵐コンで初めてオーケストラの演出が取り入れられた時は「凄い! キンキコンみたいだ!」って思ったものです。
だから松本さんの中でも「KinKi Kidsが歌うならストリングスを付けよう」というイメージがあったのかもしれません。松本さんの持っているイメージ、割とファンのイメージに近いので。

松本潤さんにとってKinKi Kidsはそもそもジャニーズ事務所に履歴書を送るきっかけになったグループで、絶対的に尊敬の対象だし、ジュニア時代にはV6とKinKi Kidsのバックダンサーとしての仕事が多かったという意味で青春時代の思い出でもあって、『ファンとして観たいもの』『後輩として観たいもの』『演出家としてやって欲しいこと』が凄く詰まっていたなと思います。圧倒的な愛と敬意を感じました。

今回の出演者の中で松本さんよりも先輩にあたるのはKinKi Kidsのお二人だけで、その状況でのキンキのお二人の振る舞いがとにかく素敵でした。
先輩として後輩たちに気を遣わせることなく、かと言って自分たちを下げて後輩に媚びるようなこともなく、後輩やそのファンが「素敵だな」と素直に感じられる存在でした。


今回のジャニフェスの選曲についてはファン投票の結果が大きく反映されているとは思いますが、全45曲中40曲はシングル曲でした。
『ハルカナ約束』、『狼青年』、『君の彼氏になりたい。』、『ダイヤモンドスマイル』、『愛のかたまり』、この5曲だけがシングル曲以外から選ばれた訳ですが、ここにこそ松本さんのこだわりが見えた気がしました。どれも「この曲でなければ成立しなかった」と感じさせられる選曲でした。

今まで嵐のコンサートでしか松本さんのライブ演出を観る機会は無かったけど、今回のジャニフェスを映像で観て一番強く感じたのは「この人は本当にジャニーズのことを愛しているんだな」ということでした。
嵐のコンサートで培ったノウハウを活かしながらも、後輩たちに嵐のやり方をなぞらせるのではなくて、各グループが最も輝く魅せ方を考え抜いた結果が今回のステージだったと思います。
今回の経験を経て、各グループの単独コンサートにおける魅せ方に何かしら還元されるものがあれば、それが松本さんにとって一番の喜びなのかもしれませんね。
改めて、松本さんも出演者のみなさんも、素晴らしいステージをありがとうございました!